探偵に資格は必要?届出と調査の質を分けて確認
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探偵業を営むための特別な資格は必要ありませんが、営業所ごとの届出は必要です。届出は、調査の腕前や報告書の質を保証する認定ではありません。「有資格者」という広告を見たら、何の資格かを聞き、届出の表示と仕事の説明を別に確かめます。
届出の確認と、仕事の確認は別にする
契約する相手
名称・営業所・所在地・番号
標識と書面を照合する
頼む仕事
方法・報告内容・費用・連絡
説明と書面を確かめる
依頼前に、番号と仕事の説明を照合する
- 契約する営業所の名称・所在地・届出番号を控える
- 標識の表示と、見積もりや契約書の相手を照合する
- 方法・報告内容・料金や追加費用の説明を聞く
表示の確認は標識の読み方にあります。番号だけで現在の状態が照会できるとは限らないため、不明点は管轄する警察の探偵業窓口へ相談します。
必要なのは届出(4条1項)
探偵業法は許可や免許ではなく、都道府県公安委員会への届出を定めています。届出のほか、欠格事由や営業上の義務もあります。営業所ごとに出すので、支店が3つあれば3回です。根拠は探偵業法4条1項です。
探偵業法4条1項を開く
探偵業を営もうとする者は、内閣府令で定めるところにより、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)に、次に掲げる事項を記載した届出書を提出しなければならない。
警視庁も、資格が要らないことをはっきり書いています。
探偵業を営むために、特別な資格等は必要なく、欠格事由に該当しなければ誰でも探偵業を営むことができます。
試験もなければ、実務経験の要件もありません。「探偵の資格を持っている」という説明を見かけたら、どの資格で、何を示すものなのかを確認します。民間の資格や他の仕事の資格を、探偵業の国家資格と取り違えません。
逆に、届出が要らない仕事もあります。盗聴器の発見だけを頼む場合が近い例で、盗聴器の発見を頼む前に確認することに分けて書きました。2条1項が集める対象を「特定人の所在又は行動についての情報」としているためです。
誰でもと言っても、除かれる人はいる(3条)
「誰でも」の手前に条件があります。3条が、探偵業を営んではならない人(欠格事由)を7つ並べています。
1号は破産して復権していない者、2号は拘禁刑以上の刑や探偵業法違反の罰金についての者です。2号の期間は、刑の執行を終えた日、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない場合です。3号は最近5年間の営業停止・廃止命令への違反、4号は暴力団員と、暴力団員でなくなってから5年を経過しない者を扱います。
5号には心身の故障に関する内閣府令の定め、6号には営業に関し成年者と同じ能力を持たない未成年者とその法定代理人、7号には法人の役員についての条件があります。「前歴がないかだけ」を見ている仕組みではありません。いずれも調査能力の認定とは分けて読みます。
資格は要らないが、書類は要る(施行規則2条3項)
届出には添付する書類が要ります。中身は探偵業法施行規則2条3項が決めています。個人で営む場合は、履歴書と住民票の写しから始まり、そのあとに3条の欠格事由にかかわる書面が続きます。
同じ欠格事由でも、確かめ方が分かれています。 3条の号は本人が誓約する書面で足りるのに、破産だけは市町村長の証明書が要ります。一号ロが誓約書です。
法第三条第一号から第六号までに掲げる者のいずれにも該当しないことを誓約する書面
一号ハが破産についての証明書です。
破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しない旨の市町村(特別区を含む。)の長の証明書
自己申告では裏が取れないところに、公的な証明を置いている形です。法人の場合は、定款と登記事項証明書に加えて、役員それぞれについて同じ書類が要ります。「資格が無い」ことと「誰でもすぐ始められる」ことは別だというのが、条文の側の答えになります。
届出をしないで営むと罰則がある(18条)
届出を出さずに営業すると、六月以下の拘禁刑または三十万円以下の罰金の対象です(探偵業法18条1号)。自分の名義を他人に貸して営ませた場合も、同じ条の2号に並んでいます。
罰則があるということは、届出が任意ではないという意味です。だから「届出をしているかどうか」は、事務所を選ぶときの最初の関門になります。確かめ方は届出標識の確認項目とウェブ掲示の例外にまとめました。
名義を貸すことは禁じられている(5条)
届出をした事業者が、その名前を別の人に使わせることは禁止されています。届出の意味が、名義の共有で薄まらないようにするためです。
前条第一項の規定による探偵業の届出をした者は、自己の名義をもって、他人に探偵業を営ませてはならない。
読者の側から見ると、確かめるのは「届出があるか」だけでなく「その届出が、いま話している相手のものか」になります。届出の番号と一緒に載っている名称や所在地が、契約書に書かれている相手と同じかどうかを見ることになります。
届出があっても、できることは増えない
届出をしたからといって、他の法令で禁止されている行為ができるようになるわけではありません。探偵業だからという理由で特別な権限が与えられることもありません。たとえば張り込みのために他人の家の敷地へ勝手に入れば、探偵であっても住居侵入にあたります。
この線引きは探偵業法でもできないことがあるで条文から整理しました。依頼する前に読んでおくと、「そこまでやってくれる」と期待して頼んで食い違う、という事態を避けられます。
届出があっても処分を受けることがある
届出をしている事業者でも、営業停止などの処分を受けることがあります。届出をしていることと、その後の営業が適正であることは別に確認します。警視庁は、処分を受けた、届出を出して営業している探偵業者を公表しています。
探偵業法違反等により、公安委員会が営業停止命令・廃止命令等を行った探偵業者を公表しています。公表の期間は、当該処分が行われた日から3年間です。
2026年8月20日に見たとき、この一覧には1件が載っていました。公表されている内容を読むと、届出証明書番号を持っている事業者が、調査の相手方の家に宅配業者を装って入るなどしたとして、67日間営業を止められる営業停止命令を受けています。
公表は処分の日から3年で消えます。裏を返すと、この一覧に載っていないことは「過去に何も無かった」という意味にはなりません。現在の中身は警視庁の探偵業法に基づく行政処分で確認できます。
選ぶときにどう使うか
ここまでを踏まえると、届出の扱い方は次のようになります。
- 届出の表示を確認しても、調査の質の保証とは扱わない
- ただし届出が確認できないことは、判断を保留する理由になる
- 腕前や報告書の質は、届出とは別のところで確かめる
- 「探偵」か「興信所」かという名前も、選ぶ材料にはならない。法律は名称で分けていない(探偵と興信所に法律上の違いはない)
事務所ごとの違いが出るのは、料金の出し方や、契約前に説明される項目のほうです。料金の形は浮気調査の費用は内訳で比べるにあります。契約前に説明される項目は契約する前に説明を受ける重要事項説明の9項目にまとめました。警察の制度と入口が分かれる人探しは人探しは警察と探偵で入口が違うにあります。
番号まで出ている事務所を見ておく
届出があること自体は選ぶ理由になりませんが、番号が出ているかどうかは差になります。サイトで見つからなければ、契約する営業所へ表示を尋ねます。
このサイトが載せている総合探偵社クロルは、会社概要に拠点ごとの探偵業届出証明書の番号を並べています。東京本社は東京都公安委員会 第30210097号で、ほかに北海道・埼玉・愛知・大阪・岡山の番号も出ています(2026年8月30日確認)。
同じく載せているCORE探偵事務所は、標識の画像そのものを掲示しています。画像の alt は「CORE探偵事務所の探偵業標識(東京都公安委員会 第30250261号)」です。フッターにも同じ番号が文字で出ています(2026年9月5日確認)。
12条2項が求めているのは標識の掲示なので、画像で出ているほうが条文の形に近くなります。番号だけの記載は、名称や所在地を控える材料になります。ただし掲示義務を果たした証拠としては、標識そのものを見ることになります。
画像が無くても「掲示していない」とは読めません。従業者5人以下の事業者と、自社サイトを持たない事業者は掲示義務から外れています。
そのうえで、届出の表示だけでは調査の質は分からないので、中身は契約前の書面と料金の出し方で判断することになります。「探偵業者」という言葉が届出を前提にしていることは探偵業とは|定義に当てはまる4つの条件にまとめました。確かめ方の手順は探偵業届出番号と標識を確かめる手順にあります。
資格ではなく届出で確かめる
「資格を持っている」ではなく「届出をしている」で確かめてください。届出がどれだけあり、そのうち何件が処分を受けているかは探偵の処分歴の調べ方と公表範囲に数字で並べました。
この記事で確かめたこと
- 原文から引用した文
- 6件
- 出典
- 4件(法令 2)
- 公開
引用が出典の原文と一致するかを、公開後も機械で照合しています。確かめ方は運営者情報にあります。