解約と料金でもめたときの窓口
調査を頼んだあとで、やめたくなることがあります。思っていた話と違った、金額が想定と違う、といった場合です。このページは、そのときに何が使えるかを条文から整理します。
まず契約書の解除の定めを見る
探偵業法は、契約後に交付される書面の項目に解除を入れています。
探偵業者は、依頼者と探偵業務を行う契約を締結したときは、遅滞なく、次に掲げる事項について当該契約の内容を明らかにする書面を当該依頼者に交付しなければならない。
この各号の7番目が「契約の解除に関する定めがあるときは、その内容」です。定めがあれば書かれているので、そこを最初に読みます。項目の全体は契約後に受け取る書面の8項目にあります。
「定めがあるときは」なので、無ければ書かれていません。その場合でも、次のクーリング・オフが使えることがあります。
契約した場所で扱いが変わる
特定商取引法は、訪問販売をこう定めています。
販売業者又は役務の提供の事業を営む者(以下「役務提供事業者」という。)が営業所、代理店その他の主務省令で定める場所(以下「営業所等」という。)以外の場所において、売買契約の申込みを受け、若しくは売買契約を締結して行う商品若しくは特定権利の販売又は役務を有償で提供する契約(以下「役務提供契約」という。)の申込みを受け、若しくは役務提供契約を締結して行う役務の提供
長いので分けます。役務を有償で提供する契約を、営業所等以外の場所で結んだ場合が入っています。探偵の調査は有償の役務なので、この形に当てはまります。
このジャンルでは、人目を避けて喫茶店や依頼者の自宅で契約することが珍しくありません。そこで契約していれば、訪問販売として扱われる可能性があります。
事務所で契約した場合は原則として外れますが、路上などで呼び止められて事務所へ連れて行かれた場合は、特定顧客として同じ扱いになります。
クーリング・オフの期間
訪問販売にあたる場合、書面または電磁的記録によって、申込みの撤回か契約の解除ができます。
期間は、書面を受領した日から起算して8日です。契約した日ではなく、書面を受け取った日から数えます。だから書面をいつ受け取ったかが分かる記録が効いてきます。
なお、解除に関する事項について事実と違うことを告げられたり、威迫されて困惑したりして期間を過ぎた場合には、あらためて書面を受け取った日から8日と定められています。
期間を過ぎている場合
8日を過ぎていても、やめられないわけではありません。契約書に中途解約の定めがあればそれによります。
定めが無い場合や、内容に納得できない場合は、消費生活センターに相談できます。消費者ホットラインは188です。どこに相談すればよいか分からない段階でも、ここから案内されます。
料金の請求に納得できない場合も同じ窓口です。契約前に説明されるはずだった項目に、金銭の概算額と支払時期が入っています。説明が無かったのであれば、それ自体が問題になります。項目は契約前に説明される9つの項目にあります。
解約料が高いと感じたとき
クーリング・オフの期間を過ぎていて、契約書に解約料の定めがある場合です。国民生活センターは、この場面についてこう書いています。
解約料の算定については、消費者契約法の規定により事業者に発生する平均的損害額を超える部分は無効となる可能性がありますが、法律が適用され無効となる条件(要件)や証明すべき事項が複雑で、法律の考え方や事実関係をめぐって事業者と争いになることがあります。
無効になる可能性はあるが、簡単ではないという書き方です。自分だけで判断せず、相談窓口を使うほうが早い場面にあたります。
途中でやめる場合は、未調査分の扱いも出てきます。まず契約書や利用規約で、中途解約したときの未調査分と、すでに払った代金の扱いを確かめます。返金額に納得できないときは、金額の根拠と計算方法の説明を求めます。
成果が出なかったとき
調査は終わったが、望んだ結果が出なかった場合です。ここは考え方がはっきりしています。
一般的には、契約書に記載された調査内容が行われれば、契約業務が履行されたことになります。
契約書に書かれた調査が行われていれば、思ったような成果が得られなくても支払いの義務が生じます。払うかどうかを決めるのは、結果ではなく契約書に書かれた調査の中身です。
裏を返すと、依頼した調査が不足しているなど事業者に落ち度があった場合は、調査の完全な履行や返金を求められることがあります。だから契約書に調査の内容・期間・方法が書かれているかが効いてきます。項目は契約後に受け取る書面の8項目にまとめました。
調査の中身に納得できない場合
料金ではなく、調査のやり方に納得できないこともあります。やり方が問題になるときは、窓口が変わります。
探偵業法14条は、探偵業者が同法や他の法令に違反した場合に、公安委員会が必要な措置をとるよう指示できると定めています。15条は、違反の程度が重い場合に6月以内の営業停止を命じられるとしています。
実際に、家に侵入するなどして67日間の営業停止命令を受けた事業者がいます。経緯は探偵にもできないことがあるにまとめました。処分は警視庁が3年間公表しています。
相談先を整理する
| 何について | どこへ |
|---|---|
| 契約・解約・料金 | 消費者ホットライン 188 |
| つきまといや暴力 | 警察相談専用電話 #9110 |
| 配偶者や交際相手からの暴力 | 配偶者暴力相談支援センター |
探偵業者のやり方そのものについては、届出を受けている都道府県警察の生活安全部門が窓口になります。
契約する前に減らせること
ここまでは起きたあとの話ですが、多くは契約前に減らせます。金額が概算のままになっていないか、報告の方法と期限が書かれているか、解除の定めがあるかを、書面の段階で見ておきます。
事務所を選ぶ段階の確認は届出をサイトで確かめる手順と探偵の料金は内訳で比べるに分けて書きました。
まとめ
- まず契約書の解除の定めを読む。「定めがあるときは」なので無いこともある
- 事務所の外で契約した場合、訪問販売として扱われる可能性がある
- その場合は書面を受け取った日から8日以内に、書面か電磁的記録で解除できる
- 起算点は契約日ではなく書面の受領日
- 解約料は、平均的損害額を超える部分が無効になる可能性がある
- 契約書どおりの調査が行われていれば、成果が出なくても支払い義務は生じる
- 期間を過ぎていても、消費者ホットライン188に相談できる
書面を受け取った日を覚えておいてください。