浮気調査でGPSを使う前に。承諾と調査方法を確認する
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GPSを使えば、探偵への依頼でも自分で行う調査でも適法になる、とは判断できません。 調査を考えている方は、目的・承諾・調べ方を分け、機器を付ける前に弁護士へ相談してください。
自分が追跡されていると感じる方は、調査を依頼する話とは分けて、警察相談専用電話#9110へ相談できます。緊急の危険は110です。警告が出るまで相談を待つ必要はありません。
相談前のメモ確かめたいこと
目的
何を知り、何に使いたいか
結果を裁判で使いたいのかなど、必要な資料を先に相談する
対象と承諾
誰が持つ物で、どの範囲の承諾か
自分名義・共有名義というだけで、相手の承諾まで判断しない
提案された方法
何を取り付け、何を取得するか
届出のある事務所でも、他の法令の制限は外れない
名義だけで、相手の承諾を判断しない
自分名義や夫婦共有の車でも、誰が所持する物か、どんな行為に承諾があったかは、名義だけでは決まりません。契約や調査を決める前に、車や機器の状況と、相手とのやり取りを弁護士へ伝えます。
調査の目的が証拠を用意することなら、手元の資料で足りるかも先に聞けます。取れる情報と、裁判で証拠として評価されるかは別の判断です。ほかの方法で進められるかも聞いてみましょう。
条文は、目的・相手・行為を合わせて定義している
ストーカー規制法2条3項は「位置情報無承諾取得等」、つまり承諾なく位置情報を得る行為などを、次のように定義しています。
ストーカー規制法2条3項を開く
この法律において「位置情報無承諾取得等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいう。
ここでは、特定の相手への好意や、それが満たされなかった怨恨を満たす目的が条件に含まれます。相手と行為の類型も合わせて読む必要があります。目的の要件に当たらないことだけで、他の法律の問題もないとは判断できません。
同じ法2条3項3号は、承諾なく機器を取り付けることなどを挙げています。
法2条3項3号を開く
その承諾を得ないで、その所持する物に位置情報記録・送信装置又は位置特定用識別情報送信装置(以下この号において「位置情報記録・送信装置等」という。)を取り付けること、位置情報記録・送信装置等を取り付けた物を交付することその他その移動に伴い位置情報記録・送信装置等を移動し得る状態にする行為として政令で定める行為をすること。
位置情報を取得することだけでなく、取り付けや機器の入った物の交付も確認する対象です。「GPSを使う」という言葉だけで、どの行為を指すかを省かないようにします。
探偵の届出は、調査方法の許可ではない
探偵業法6条です。探偵業者は、届出を出して営業している探偵事務所を指します。
探偵業法6条を開く
探偵業者及び探偵業者の業務に従事する者(以下「探偵業者等」という。)は、探偵業務を行うに当たっては、この法律により他の法令において禁止又は制限されている行為を行うことができることとなるものではないことに留意するとともに、人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害することがないようにしなければならない。
他の法律の制限が外れないことと、生活の平穏や個人の権利利益への配慮が規定されています。届出番号の掲示を確認したことだけで、提案されたGPS利用まで適法と判断しないでください。
事務所には、調べる方法、対象、承諾をどのように確認するかを尋ねます。説明に疑問が残るときは、依頼を保留して法律相談できます。探偵に頼めないことと相談先も参考にしてください。
禁止と警察の対応は、決まった一本道ではない
ストーカー規制法3条は、次のように禁止しています。
何人も、つきまとい等又は位置情報無承諾取得等をして、その相手方に身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせてはならない。
「何人も」とあり、探偵業者かどうかだけで対象が分かれる規定ではありません。具体的な目的・行為や相手に与える不安など、条文の条件を確認します。
警告は4条、禁止命令等は5条に別々の条件があります。5条の禁止命令に、4条の警告を必ず先に受けるという条件はありません。ストーカー行為そのものの罰則も18条にあるため、「警告や命令を受けるまでは問題ない」と考えないでください。
自分が追跡されていると思う場合は、気付いた日時や状況、相手との連絡を、分かる範囲で残して警察へ相談します。危険な相手との直接の話し合いを、この記事の手順として求めるものではありません。
機器や車の扱いを詳しく読むとき
取り付け以外の行為については、ストーカー規制法施行令3条が挙げています。1号です。
一その所持する物に位置情報記録・送信装置等を差し入れること。
同じ施行令3条2号です。
二位置情報記録・送信装置等を差し入れた物を交付すること。
同じ施行令3条3号は、相手の移動に使う車なども挙げています。
施行令3条3号を開く
三その移動の用に供されることとされ、又は現に供されている道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第二条第一項第九号に規定する自動車、同項第十号に規定する原動機付自転車、同項第十一号の二に規定する自転車、同項第十一号の三に規定する移動用小型車、同項第十一号の四に規定する身体障害者用の車又は道路交通法施行令(昭和三十五年政令第二百七十号)第一条第一号に規定する歩行補助車(それぞれその所持する物に該当するものを除く。)に位置情報記録・送信装置等を取り付け、又は差し入れること。
相手が所持する物に当たらない車なら、いつでも対象外になる、という読み方はできません。条文は所持品とは別に、移動に使う車などを挙げています。機器を置く場所や車の名義だけから結論を出さず、そのときの状況を、相談先へ伝えます。
相談の回答と、調査の契約を分ける
事務所に相談しただけでは、調査の契約をしたことにも、提案された方法が適法と確認されたことにもなりません。分からない点をメモし、契約前に受け取る書面で、何をどう調べるかを確かめます。契約する前に説明を受ける重要事項説明の確認項目に、受け取る書面の読み方をまとめています。
自分で調べる場合には、探偵業者の契約書面の義務がそのまま課されるわけではありません。一方、ストーカー規制法などの制限は別に確認が必要です。自分で調査するときの線引きを読み、探偵業法の対象かと他の法令の制限を混同しないようにします。
総合探偵社クロルとCORE探偵事務所の届出表示は、各社の情報欄に確認日と範囲を記録しています。届出は調査の質や成果、個々の方法の適法性を保証しません。標識と番号を確かめる手順から、契約する営業所の名称・所在地も照合してください。
この記事で確かめたこと
- 原文から引用した文
- 7件
- 出典
- 3件(法令 3)
- 更新
引用が出典の原文と一致するかを、公開後も機械で照合しています。確かめ方は運営者情報にあります。