浮気の慰謝料はいくら?相場の前に、請求と受領額を整理する
配信広告PR。本サイトはアフィリエイト広告(PR)を利用しています。
浮気の慰謝料に、法律で決められた一律の金額はありません。請求が成立するか、何の損害か、すでに受け取った金額があるかを確認して判断します。この記事は金額の相場表ではなく、金額を考える前提と相談時の確認点を整理します。
同じ損害の「全額」が、人数分に増えるわけではない
金額の相談に持っていくもの
婚姻や別居の経緯、何をいつ知ったか、手元の資料、過去の示談書、受け取った金銭の記録を整理します。調査費用の請求も考えているなら、見積書や領収書も分けて保管してください。
相談先は、法テラスや弁護士会の法律相談です。離婚相談の持ち物では、情報をどのように並べるかを具体的に示しています。先に目的を整理してから、必要がある場合に調査の範囲と費用を比べます。
709条が書いているのは「生じた損害」まで
慰謝料の根拠は民法709条です。
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
賠償するのは「これによって生じた損害」で、いくらとは書かれていません。方法だけが722条1項を経由して417条に決められています。
損害賠償は、別段の意思表示がないときは、金銭をもってその額を定める。
金銭で払うことは決まっていて、いくらかは決まっていません。どこからが浮気にあたるかも同じように条文が置いていないので、そちらは浮気はどこからかを、条文は決めていないにまとめました。
婚姻していない関係では、前提のほうが変わる
709条が求めているのは「権利又は法律上保護される利益」の侵害です。結婚している場合は、そこが婚姻から生じる関係になります。結婚していない交際では、まずその利益があると言えるかどうかから始まります。民法は貞操義務という言葉をどこにも置いていないので、交際しているだけの関係で相手を縛る条文もありません。
だから未婚のカップルや、交際中の相手の浮気では、結婚している場合と同じようには進みません。調査を頼む前に確かめることも変わります。内縁や婚約など、関係によって検討すべき事情も変わります。未婚だから一切請求できない、交際相手なら請求できる、と一律には判断せず、具体的な関係を法律相談で伝えてください。
なお、広告の成果報酬条件にある「婚姻関係があること」は、事業者が相談を受ける条件とは別です。広告の条件から相談対象を推測しないようにします。
過失相殺の規定だけで金額は計算できない
額そのものの規定は無いかわりに、額を動かす規定が置かれています。722条2項です。
被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。
「定めることができる」なので、必ず減るとは書かれていません。そして考慮するのは裁判所です。同じ事情でも、事案ごとに結論が変わりうる形で書かれています。
他のページに相場が載っていても、裁判例の集計なのか、個別事例なのか、出典のない目安なのかは別に確認が必要です。数字だけを見て自分の請求額に置き換えないでください。このページでは、比較可能な裁判例の集合を検証していないため、相場の数値を提示しません。
誰に請求するかと、二重に受け取れない範囲
額よりも先に効いてくるのが、誰に請求するかです。719条1項がこうなっています。
数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも、同様とする。
配偶者と相手方の両方に共同不法行為が成立することが前提です。関係があったというだけで、相手方の故意・過失や権利侵害を確認せず、全員に責任があるとはいえません。
共同不法行為の責任が認められる場合、同じ損害について半分ずつだけを負うという扱いではありません。ただし、同じ損害を二重に受け取ることはできません。同じ条の2項は、範囲を広げています。
行為者を教唆した者及び幇助した者は、共同行為者とみなして、前項の規定を適用する。
連帯債務になると、請求のしかたは436条1項が決めます。
436条1項を開く
債務の目的がその性質上可分である場合において、法令の規定又は当事者の意思表示によって数人が連帯して債務を負担するときは、債権者は、その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次に全ての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる。
「その連帯債務者の一人に対し」「全部又は一部の履行を請求することができる」と並んでいます。相手方だけに全額を請求することも、2人に順に請求することもできます。
全額を請求できる配偶者に請求する
どこに書かれているか719条1項が連帯とし、436条1項が一人への請求を認める
全額を請求できる相手方に請求する
どこに書かれているか同じ2つの条。相手方だけを選ぶこともできる
同じ損害の範囲で請求する。受領済みの金額を差し引き、二重には受け取れない
相手方に払ってもらったあと、求償も確認する
求償は、払った人が他の負担者へ負担分を求めることです。連帯債務者の一人が払ったあとの関係について、民法442条1項を読みます。
民法442条1項を開く
連帯債務者の一人が弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得たときは、その連帯債務者は、その免責を得た額が自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず、他の連帯債務者に対し、その免責を得るために支出した財産の額(その財産の額が共同の免責を得た額を超える場合にあっては、その免責を得た額)のうち各自の負担部分に応じた額の求償権を有する。
相手方だけに全額を払わせたとします。その相手方は、442条1項によって配偶者に負担部分に応じた額を請求できます。配偶者と生計をともにしたままなら、求償の結果によっては、家計にも影響する可能性があります。
求償を行うかどうかや、その合意によって最終的な負担は変わります。婚姻を続けるのか離婚するのかで、この差の意味が変わります。
請求した相手そのあとに起きること
相手方だけに請求した
相手方が配偶者に求償できる
442条1項。配偶者と家計が同じままなら、求償の結果が家計に影響することがある
配偶者だけに請求した
配偶者が相手方に求償できる
同じ条文が逆向きに働く。請求した相手が誰であっても求償の規定は残る
2人に請求した
合計で全額を超えては受け取れない
負っているのは1つの損害についての債務で、人数分に増えるのではない
示談や支払いがあるときは、残る請求を確認する
示談が絡むときに効くのが441条です。
441条を開く
第四百三十八条、第四百三十九条第一項及び前条に規定する場合を除き、連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない。ただし、債権者及び他の連帯債務者の一人が別段の意思を表示したときは、当該他の連帯債務者に対する効力は、その意思に従う。
原則は「他の連帯債務者に対してその効力を生じない」です。配偶者と示談しても、相手方への請求はそれだけでは消えません。ただし、ただし書きがあります。当事者が別段の意思を表示したときは、その意思に従います。
示談書の文言に加え、何の損害について、いくら支払いを受けたかも重要です。同じ損害がすでに填補されていれば、その分を重ねて請求することはできません。一般的な連帯債務の条文だけで個別の示談の効果を決めず、既存の示談書を弁護士へ見せてください。
請求できる期間のほうは724条が別に決めていて、浮気の慰謝料はいつまで請求できるかに分けて書きました。
将来の約束に付ける額は、別に決まる
ここまでは既に起きたことへの賠償です。離婚せずに続ける場合に書かせる誓約書の違約金は、民法420条3項が賠償額の予定と推定する将来の約束についてのもので、慰謝料とは別に決まります。公正証書にしたときに何ができるかは浮気の誓約書に効力を持たせる条件にまとめました。
相手方に請求するには、相手方が特定されている必要がある
条文は「連帯債務者の一人に対し」請求できるとしていますが、その一人が誰なのかは条文が教えてくれません。氏名と住所が分からなければ、請求書を送る先がありません。
すぐに探偵への依頼と決めず、まず弁護士に、手持ちの情報で可能な手続きと必要な追加情報を相談します。何をどこまで集めるかは、離婚を求めるのか金銭を求めるのかで変わるので、浮気の証拠として使えるかは事前に決まらないと素行調査は期間を決めないと費用が読めないを先に読んでおくと、依頼するときの日数を決めやすくなります。
相手方の身元まで調べる形は身辺調査で分かることと分からないことにあります。調べる前に自分で確かめられることもあるので、浮気調査を自分でやるとき、どこで違法になるかも併せて読んでください。
この記事で確かめたこと
- 原文から引用した文
- 8件
- 出典
- 1件(法令 1)
- 更新
引用が出典の原文と一致するかを、公開後も機械で照合しています。確かめ方は運営者情報にあります。