浮気はどこから?離婚と慰謝料の目的から整理する
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「どこからが浮気か」という境目は、民法の条文だけでは判断できません。 離婚を求めたいのか、慰謝料を求めたいのかで、相談する内容と確認する条文を分けます。
写真やメッセージを持っていても、すぐに調査を追加する必要があるとは限りません。疑いを持った経緯、婚姻や別居の状況、手元の資料をまとめ、まず弁護士へ相談できます。
離婚を求める
- 根拠は770条1項1号
- 相手は配偶者
- 2項により棄却されることがある
慰謝料を求める
- 根拠は709条と710条
- 相手は配偶者にも相手方にもなりうる
- 不法行為の要件や損害の立証が必要
離婚を求めるのか金銭を求めるのかで、根拠になる条文が変わる
離婚の条文は「不貞な行為」の境目を説明していない
裁判上の離婚の条文です。柱書がこうです。
夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
「次に掲げる場合に限り」なので、号に当たらなければ訴えを起こせません。その1号です。
配偶者に不貞な行為があったとき。
これで終わりです。何をすれば不貞な行為になるのかは、この条にも他の条にも書かれていません。条文が置いているのは語だけで、中身は裁判所が事案ごとに決めます。
同じことが夫婦の義務の側にもあります。752条はこうです。
夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。
同居、協力、扶助。貞操義務という言葉は、ここにも他の条にも出てきません。条文から出てくるのは、離婚の理由として1号が置かれているという事実までです。
不貞を示せても、離婚が認められるとは限らない
1号に当たれば必ず離婚できるかというと、そうではありません。同じ民法770条の2項です。
裁判所は、前項第一号から第三号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。
「事由がある場合であっても」と書かれています。1号に当たることを示せても、裁判所が婚姻の継続を相当と認めれば請求は棄却されます。
つまり証拠が足りるかどうかと、離婚が認められるかどうかは別の話になります。証拠が使えるかを裁判所がどう判断するかは浮気の証拠として使えるかは事前に決まらないにまとめました。
不貞だけで判断せず、婚姻の事情も相談する
同じ770条1項には4号が置かれています。
その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
1号が「不貞な行為」という限られた言い方をしているのに対し、4号はそれ以外をまとめて受けています。1号に当たると言い切れない関係でも、4号のほうで争う道は残っているという構えです。
だから調査で集めたものが1号に届かなかったとしても、それで終わりにはなりません。どちらの号で主張するかは、集まったものを見てから決めることになります。
2号は「配偶者から悪意で遺棄されたとき」です。家を出た事実だけで、直ちにこの理由に当たるとは判断できません。別居の理由や生活費・扶助の状況なども含め、弁護士へ相談してください。
慰謝料の根拠は別の条文にある
離婚とは別に、金銭を請求する道があります。根拠は709条です。
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
ここにも「不貞」という語はありません。あるのは「権利又は法律上保護される利益」です。そして710条が、財産以外の損害も対象だとしています。
他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。
どちらを求めるかで、必要になるものが変わります。離婚のほうは婚姻を続けられない状態を示すことになり、慰謝料のほうは侵害があったことと損害の額を示すことになります。
709条には一律の賠償額はありません。配偶者と相手方について共同不法行為が成立する場合には、719条1項による責任が問題になります。関係があれば誰でも自動的に同じ責任を負う、という規定ではありません。そこは浮気の慰謝料に相場を決めた条文は無いにまとめました。
請求できる期間には別の条文が効きます。浮気の慰謝料はいつまで請求できるかに分けて書きました。
法律相談と調査で、同じ目的のメモを使う
条文がこうなっているので、調査を頼む前に決めておくのは「何を求めるか」です。
- 離婚を求めるのか、金銭を求めるのか、両方か
- 相手は配偶者だけか、相手方も含むか
- いつの時点のことを示したいのか
目的がまだ決まらなければ、決まっていない点を相談メモへ残します。調査の日数を増やす前に、必要な資料と範囲を相談してください。期間の決め方は素行調査は期間を決めないと費用が読めないにあります。
依頼のときの書面には使い道を書く欄があります。探偵業法9条1項は、調査結果が違法な行為に使われると知ったときに調査を禁じています。使い道について聞かれたら事実に沿って説明し、違法な目的に使わない旨の書面も確認します。その仕組みは依頼のときに書く書面は何のためにあるかにまとめました。
刑法の側に浮気を罰する条文が置かれていないことと、それでも第三者に伝えたときには条文が当たることは浮気は犯罪か。刑法に置かれている条文を見るに分けて書きました。
調査の前に、法律相談で確認すること
条文を読んだだけで、手元の写真やメッセージが不貞の証拠として足りるかは判断できません。疑いを持った経緯、婚姻や別居の状況、持っている資料を分けて相談します。
探偵は調査と報告を行う事業者です。離婚が認められるか、誰にいくら請求できるかという個別の法的判断は弁護士に相談してください。離婚相談へ持っていく資料を先にそろえると、追加の調査が本当に必要かも聞けます。
相談を受けることと、調査を契約することは別です。調査が必要だと判断してから、事務所の届出を確かめる手順と費用の内訳を使って条件を比べます。
この記事で確かめたこと
- 原文から引用した文
- 7件
- 出典
- 1件(法令 1)
- 更新
引用が出典の原文と一致するかを、公開後も機械で照合しています。確かめ方は運営者情報にあります。