探偵の依頼ノート

探偵と興信所に法律上の違いはない

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2026/9/30更新 2026/8/22公開

「探偵事務所」と「興信所」は、どちらに頼めばよいのか。そう聞かれることがありますが、法律は2つを区別していません。

分けているのは名前ではなく、やっている調査の方法のほうです。

探偵事務所か興信所か、名前では決まらない

看板・屋号探偵/興信所/調査会社呼び方だけで法の対象は決まらない
業務の中身依頼・実地調査・報告探偵業法の定義に当たるかを読む
契約前の確認相手の法人・営業所・標識料金と解除の条件も書面で確かめる
届出があることは調査品質の保証ではありません。標識がサイトで見つからないことだけで無届とも判断できません。

決めているのは調査の方法

他人の依頼を受けて調べる探偵業務かどうかは、名前ではなく調査の方法で決まります。条件は4つです。他人の依頼を受けること。特定の人の所在や行動の情報を集めること。聞込み・尾行・張込みといった方法で実地の調査をすること。結果を依頼者に報告すること。根拠は探偵業法2条1項です。

探偵業法2条1項を開く

この法律において「探偵業務」とは、他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務をいう。

名乗っている名前は条件に入っていません。そして次の2項が、この業務を行う営業を探偵業と呼んでいます。

この法律において「探偵業」とは、探偵業務を行う営業をいう。

「興信所」は条文に出てこない(2条2項)

探偵業法の条文を通して読んでも、興信所という語はありません。警視庁が出している探偵業の概要のページにもありません。

つまり興信所と名乗っていても、上の4条件を満たす調査をしていれば探偵業です。届出も、書面の交付も、同じように必要になります。逆に探偵事務所と名乗っていても、条件を満たさない仕事だけをしているなら探偵業ではありません。名前は選べますが、届出が必要かどうかは選べません。

届出書には広告で使う名前も書く(4条1項3号)

屋号と法人名が違うこと自体は、問題ではありません。届出書の記載事項は、1番目が商号・名称・氏名、2番目が営業所の名称で、3番目に広告用の名前が来ます。

第一号に掲げる商号、名称若しくは氏名又は前号に掲げる名称のほか、当該営業所において広告又は宣伝をする場合に使用する名称があるときは、当該名称

名前が違うというだけでは、別の事業者だとも、隠しているとも言えません。届出書には両方が書かれている場合があります。

名義を貸すことは禁じられている(5条)

一方で、名前だけを借りる形は禁じられています。届出をした事業者の名前で、届出をしていない別の人が営業することはできません。

前条第一項の規定による探偵業の届出をした者は、自己の名義をもって、他人に探偵業を営ませてはならない。

似た話に、調査そのものを他社へ回す委託があります。こちらは禁止ではなく、契約書に定めがあるときはその内容を書くことになっています。確かめ方は報告書を受け取ったら確かめるにまとめました。

見分けるのは名前ではなく届出

見るのは届出の有無です。ただし届出は質を保証していません。欠格事由に当たらなければ誰でも出せるので、届出があることは最低条件であって、そこから先の比較材料にはなりません。警視庁の説明でも、そうなっています。

探偵業を営むために、特別な資格等は必要なく、欠格事由に該当しなければ誰でも探偵業を営むことができます。

確かめる手順は探偵業届出番号と標識を確かめる手順にあります。届出そのものの意味は探偵に資格はいらないに分けて書きました。

「実地の調査」をしない相手は別の話になる

公開情報を集めて渡すサービスが探偵業務に当たるかは、依頼を受けて行う業務全体と、実地の調査の有無を確認して考えます。作業の一部がインターネット上で行われることだけでは、探偵業法の対象外とは判断できません。

探偵業法の対象となる場合には、契約の書面は8条1項・2項、秘密の保持は10条1項に次の定めがあります。対象外のサービスに同じ条項が直接適用されるとは限りませんが、それだけで書面や情報の扱いに何の決まりもないとは言えません。

探偵業法の対象なら、8条1項が契約前の説明書面、8条2項が契約後の書面、10条1項が業務上知った秘密を漏らさない義務を定めています。対象外でも、相手がどの書面を出し、情報をどう扱うかは契約前に確かめます。

個人の情報を渡す前に、利用目的・第三者への提供・保管や削除の条件を確認します。探偵業に当たるか分からない場合は、営業所を管轄する警察の探偵業窓口へ相談してください。説明を受ける中身は契約する前に説明を受ける重要事項説明の9項目にあります。契約後の書面は探偵の契約書に書かれる8項目にまとめました。

同じ調査でも、目的で扱いが変わる例が条文にあります。2条2項のただし書きが、報道機関の依頼を受けて報道に使う目的で行うものを除いています。方法だけでなく、誰の依頼で何のために行うかも条件に入っている、ということです。

名前で絞ると何を外すか

探偵事務所、興信所、調査会社、リサーチ、エージェンシー。どれも法律上の区別が無いので、名前の印象で絞っても、届出の有無とは関係のない絞り方になります。比べるところは3つに絞れます。

  1. 届出の標識をサイトで確認できるか
  2. 契約前に重要事項(説明が義務づけられている項目)の説明書を出してくるか
  3. 料金の内訳と支払時期が書かれているか

3番目を調べようとして、一覧が見つからないことがあります。探偵業法は料金の公表を義務づけていません。義務が置かれているのは公表ではなく、契約しようとする相手への説明のほうで、8条1項が概算額と支払時期を書面で示すことを求めています。だから並べて比べるには、見積もりを取ることになります。

「興信所の費用」と「探偵の費用」は、条文の上では同じものです。 8条1項の説明義務は、どちらの名前で営業していても同じように当たります。料金の見方は浮気調査の費用は内訳で比べるにあります。やめたときに払う額に上限があるかは探偵の解約料に上限があるとしたら消費者契約法9条にまとめました。依頼の順番は依頼から報告までの流れにあります。

古い名前が残っていることもある

興信所という呼び方は探偵業法ができる前から使われていました。長く続けている事業者が名前を変えていないだけ、ということもあります。設立が古いことは、調査の質とも届出の有無とも別です。

名前ではなく会社概要を見る

屋号で見分けられない以上、見るのは会社概要のページです。ここに何が並んでいるかで、確かめられる範囲が決まります。

会社概要では、まず法人名と所在地を見て、契約の相手を特定します。次に事業内容と営業所を確認し、公式サイトで公開されているその営業所の標識と番号を照らします。会社が自ら書いた情報と、照会して確かめられる番号を同じ強さの根拠として扱わないようにします。

このサイトが載せている総合探偵社クロルは、会社概要に法人名・所在地・事業内容・拠点ごとの届出証明書の番号を並べています。東京本社は東京都公安委員会 第30210097号です。CORE探偵事務所はトップページに探偵業標識の画像を掲示し、フッターにも同じ番号をテキストで出しています。一般社団法人日本調査業協会の正会員検索にも登録No.2489として載っています。

料金の示し方も違います。クロルは「浮気調査 不倫調査 120,000円 (+税)〜」のような下限表示の目安額を出しています。CORE は金額を一覧にせず、過去の事例の金額(198,000円・495,000円)だけを出しています。どちらの示し方でも、8条1項が求める契約前の書面で概算額と支払時期を確かめる必要は変わりません。

6社を開いて、届出番号の出し方を数えた

標識の画像まで出しているのは、6社中2社でした。残る4社はテキストのみです。2026年9月21日に、届出番号を公式サイトで確認できるか6社を開いて数えました。分母は提携先だけにしていません。クロルとCOREは提携している2社です。ALG探偵社・HAL探偵社・さくら幸子探偵事務所・G8探偵事務所は提携していません。

事務所届出番号の出し方
CORE探偵事務所標識の画像(alt に番号)+フッターのテキスト
ALG探偵社営業所ごとにテキスト+標識のPDFへのリンク
総合探偵社クロル会社概要にテキスト(拠点ごと)
HAL探偵社会社概要のブロックにテキスト
G8探偵事務所サイドバーにテキスト
さくら幸子探偵事務所届出書を提出した公安委員会の名称一覧のみ

ALG探偵社は、営業所ごとにテキストの番号を出したうえで、標識そのもののPDFへのリンクを添えています。

東京都公安委員会 第30130348号

さくら幸子探偵事務所は少し違う形で、ページにはこう並んでいます。

【届出書を提出した公安委員会】

このあとに北海道から沖縄まで28の公安委員会名が続きます。ただし届出番号そのものは、公安委員会に照会して確認できる形では見当たりませんでした。

番号が無いことは無届を意味しません。除外規定(従業者5人以下、自社サイトを持たない場合)に当たる可能性も残っています。言えるのは、確かめる材料の多さが事務所によって違うということだけです。番号があれば公安委員会への照会で裏を取れますが、公安委員会名の一覧だけでは、そこから先に進めません。

G8探偵事務所は番号をテキストで出し、業界団体(全国調査業協同組合・日本探偵業協会)のロゴも掲示しています。これはCORE探偵事務所が載っている一般社団法人日本調査業協会とは別の団体です。1つの団体の会員検索だけで、全部を確かめられるわけではありません。

この記事で確かめたこと

原文から引用した文
7件
出典
4件(法令 1)
更新

引用が出典の原文と一致するかを、公開後も機械で照合しています。確かめ方は運営者情報にあります。

紹介した事務所の届出と料金

事務所運営会社届出の確認料金
総合探偵社クロル株式会社クロル標識をサイトで確認
東京都公安委員会 第30210097号
記載なし(理由は下)
CORE探偵事務所株式会社CORE標識をサイトで確認
東京都公安委員会 第30250261号
記載なし(理由は下)
総合探偵社クロル
2026年10月12日に会社概要の東京本社の番号リンクを開き、標識PDFを確認。東京都公安委員会 第30210097号、株式会社クロル、東京都豊島区東池袋3丁目5番7号ユニオンビルヂング804の表示があります。会社概要は同じ番地を8Fと記載しています。契約する営業所と書面の住所は別に照合してください。以前の「標識画像は見つからない」という掲載判断を訂正しました。 調査料金のページに調査別基本料金として「浮気調査 不倫調査 120,000円 (+税)〜」などの6項目が並んでいますが、税別かつ「〜」付きの下限表示のため確定額としては載せていません。同じページは諸経費が料金に含まれると案内する一方、特定商取引法に関する記述のページは消費税・送料・振込み手数料・交通費・宿泊費の実費が別としています(2026-08-30 確認)。どちらになるかは契約書で決まるので、契約前の書面で概算額を確かめてください
CORE探偵事務所
2026年10月12日に公式トップの標識画像を確認。東京都公安委員会 第30250261号、株式会社CORE、東京都港区東新橋2丁目7番3号昭和アステック1号館603号室の表示があり、会社概要の所在地と一致します。公式サイトの正会員登録番号2489は業界団体の番号で、公安委員会への届出番号とは別です。成果の対象は浮気・不倫調査に限られ、電話相談の時点で婚姻関係が認められない場合は対象外とされています。 公式サイトの「選べる料金プラン」には金額が出ておらず、「調査内容・状況に応じて最適なプランをご提案します」とだけ書かれています。金額が出ているのは事例(Case Studies)の「調査期間:1日 金額:198,000円(税込)」「調査期間:2日 金額:495,000円(税込)」の2件で、これは過去の事例であってプランの料金表ではありません。事例の額を確定額として載せると読者を誤らせるので、金額は掲載していません。見積もりは無料と案内されているので、必要な日数を決めてから取ることになります(2026年9月1日確認)

料金は各事務所の公式サイトで、税込価格が文章で明示されているものだけを掲載しています。 「届出の確認」は、探偵業法12条2項が求めている標識の掲示を各社の公式サイトで探した結果です。 常時使用する従業者が5人以下の事業者と、自社のウェブサイトを持たない事業者は この掲示義務から除外されているため、サイトで見つからないことは届出が無いことを意味しません。

出典

申し込みページへ

総合探偵社クロル(株式会社クロル運営)|広告